日本危機管理学総研
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危機管理調査研究  <大地震に対する危機管理アンケート>

大地震に対して地方自治体による初動体制は不十分


■□■ 大地震に対する危機管理アンケート ■□■

特定非営利活動法人日本危機管理学総研は、2004年11月から12月にかけて、 大地震に対する地方自治体による対応の実情、および認識を明らかにするために、地方自治体の防災 担当者を対象としたアンケートを実施しました。


当該アンケートを通じて、地方自治体で大地震などの災害が起きたときの体制および その運用において依然として問題が残っていることがわかりました。たとえば、当総研が、主眼として おります「地方自治体の初動体制(災害発生後3時間以内の対応:次頁アンケート趣旨文参照)」に ついては、「あなたの役所では、行政による有効な危機対応(情報収集・分析・発信と、交通規制・ 消火・救助などの指示・実施)を、3時間以内に行うことができますか?との質問に対して、49%の 地方自治体が「いいえ」「わからない」と回答し、阪神淡路大震災や新潟県中越地震を経ても依然とし て、地方自治体による初動体制の確立が不十分であることわかりました。



*このアンケートの分析結果の詳細は、以下のPDFファイルをご覧ください。

大地震に対する危機管理アンケート  分析・提案(132KB)

大地震に対する危機管理アンケート  集計結果(12.5KB)



参考資料「大地震に対する危機管理アンケート趣旨文」

特定非営利活動法人日本危機管理学総研の調査・研究により、大地震が発生した際の行 政の救援体制が整うまでに、まる1日を要することが判明しました。さらには、発生後3 〜4時間については、行政対応が空白の時間帯となります。この空白の時間帯に、住民が いかに生き残るかのノウハウと、また行政救援体制を1分1秒でも早く構築するための努 力が必要であろうと、当総研では、現在、一つの答えを出しております。そこで、このた び、各地域での行政対応の実情、および認識を明らかにするため、地方自治体の担当者の みなさまへ、下記のとおりのアンケートのご協力をお願いする次第です。ご回答をよろし くお願い致します。

<想定シナリオ>

ある日本の人口密集地域にて、午後1時、震度7クラスの地震が発生。住宅街では、住 宅の倒壊、道路の寸断、電気・ガス・電話が不通となり、また、ビジネス街では、ガラス の飛散、負傷者の続出、電車が転覆している。 地震発生直後、住宅街のAさん(女性)は、幸い怪我はなかったが、ビジネス街にて勤 務している夫と連絡がとれず、また学校に登校している子どもの安否も不明である。また、 自宅は倒壊せず、火事の心配はないが、近隣の住宅が何軒か倒壊し、どうやら少し離れた ところで、火事が発生したようだ。

Aさんが、周囲の確認のため道路に出てみると、道路は隆起陥没を起こしており、道路 を放置された多数の自動車が埋めている。消火のため、ゆっくりと消防自動車がやってき たところ、近隣の住民が生き埋めになった住民の救出を願い出るが、消火が優先と通過し ていった。また、警察も、交通の復旧作業や、略奪や暴動を警戒して、救出活動は行えな いようだ。

そのとき、役所からの連絡が、防災のスピーカーを通じて流されるが、役所も情報が錯 綜しているのか、情報の取捨ができないのか、まるで要領を得ない内容だ。 「ああ。どうしたら、良いのだ・・・」

阪神・淡路大震災では、生埋め者の約8 割が住民たちの手で救い出されました、その生 き埋め者救助のときの模様を、神戸新聞社編「大震災 その時、わが街は」は次のように 記述しています。

“土砂に埋まった木材が燃えているため、消火できない。住民は避難を始めた。「はよ逃 げんと、あんたも危ない」の声が届いた。「ヘビの生殺しみたいなことができるか!おっち ゃん、ぴんぴんしてるやないか」と叫び返した。避難しかけた住民が戻った。今度は柱の 間に鉄の棒を差し込み、ロープをくくりつけて十人で引いた。動かない。次は二十人がロ ープを握った。掛け声もろとも力を込めた瞬間、Nさんの足がすぽっと抜けた。地震発生 から三時間が過ぎていた。周囲で歓声が上がった。”

※なお、当該アンケートの調査結果につきましてご不明な点等がありましたら、下記までご連絡ください。
特定非営利活動法人 日本危機管理学総研
〒 101-0054
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